木曜日, 1月 29, 2015

Fab蔵でのハードウェアの地産地消の試み

木曜日, 1月 29, 2015 By


Fab蔵では、日々いろいろな実験をおこなっている。最近、挑戦している事の1つに、「Fab蔵の研修で使う基板やボードは、すべて自分たちで作ろう」という目標を掲げている。ハードウェアの地産地消の試みだ。

どういう事かというと、例えば、Arduino研修を開催するなら、Fab蔵で自作したArduino互換ボードを使うという事を目標にしている。今年の3月までには、すべての研修で使う基板は自作基板になる予定だ。

毎週、ものすごい勢いで基板を設計している。週2-3回開催されるワークショップを開催しているので、そのたびに基板やハードが必要になる。今は、まだ外部から購入する事が多いが、それをとにかく全部内部で作ろうとしているわけだ。

今日も、各スタッフがワークショップで必要と思った4枚の基板を設計した。1つめがRN42をベースにしたBluetoothモジュール。


2つ目が小型Quadcopterのコントロールボード。9軸加速度センサーと、PWM4端子と、BLEモジュールが搭載れている。

  

3つめが、今度開催予定のScratch研修用の基板だ。

 

4つ目がArduino互換基板だ。一番Fab蔵ではニーズがある。


このように、毎日いろいろな基板をおこしている。すでに設計した基板は40パターンを超える数になっている。そして、今日は、7枚の基板が到着した。これは、過去のワークショップで必要性を感じた基板になる。これをこれから、表面実装し、実際にワークショップで使用する。


我々が、いろいろなハードウェアを設計できるのは、オープンソースハードの恩恵だといえる。インターネットには、様々なオープンソースハードが公開され、その回路を自分たちで見て勉強する事ができる。

オープンソースハードの製造元で最大の会社がSparkfun Electronicsだ。FounderのNathan SeidleのTEDxBoulderでの公演は、今のトレンドをよく表している。Sparkfun Electronicsは、今や400枚以上のオリジナルハードを設計し、売り上げも100億円を突破し、従業員も120人程度の規模になっている。オープンソースハードベンチャーの成功事例である。そして、本社は、シリコンバレーではなく、地方都市ボルダーだ。



オープンソースハードのトレンドに、さらに面白みを付与しているのが、ハードウェアの地産地消という概念だ。今後のハードウェアの市場は、少量多品種で多様化が加速してくる。そうなった時に、各地域で消費するハードは各地域で製造するという試みが始まる。その中でも象徴的なのが、車の地産地消を目指すLocal Motorsの存在だ。車の設計をオープンソースハード化し、組み立ては各エリアの工場でおこなおうとしている。



日本での先進的な試みは、山形のやまがたメーカーズネットワークが、3D Printerの地産地消にチャレンジしている。やまがたメーカーズネットワークでは、山形県の有志があつまって、山形産の3D Printerを自作し、すでに11校の工業高校に導入している。中心的メンバーの齋藤さん(熱血公務員で最初の3D Printerを自作)は、「オバマ大統領は、米国で1000校の学校に3D Prinetrを導入します。山形には、1000校も学校がないので、全小中学校100校に導入します」といって仲間を集めていった。今や、山形の未来を担うプロジェクトになろうとしている。


地方創生のキーワードは、いかにお金をかけずに地域のリソースの最大化を、オープンイノベーションというプラットフォームでおこなえるかが重要である。山形の事例を見てもわかるとおり、お金ではなく、やる気の問題だ。そして、その試みは、オープンで持続性が高いものでなければならない。

そういった点では、お隣の山形は、すでに一歩先をいっている。Fab蔵でも、地域に埋もれたリソースの最大化を、オープンな形で推進していこうと思う。


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