火曜日, 1月 27, 2015

3Dプリンター市場規模

火曜日, 1月 27, 2015 By



Market Watchの記事によると、2014年3Qには、3万3千台の3D Printerが出荷されたらしい。2Q比較で6%の成長、前年3Q比較で16%という伸びをしてしている。

2014年度は、大まかに計算して、3万3千台 * 4 = 13万2千台 程度の3D Printerが出荷されることになる。少なくても年間出荷ベースで10万台を突破したことになる。

3D Printer市場は、まだ始まったばかりだ。今後どこまで、成長するかを予測してみる。各社調査会社は、2017,2018年での出荷数予測を出している。

各社の予想)
Gartner予想2018年 累計出荷数 230万台程度
2018年 年間出荷数 90万台程度

( Gartnerのプレスリリース )
IDG予想2017年 累計出荷数 90万台程度
2017年 年間出荷数 30万台程度

( IDC Direction-2014の講演資料 )
Taiwan Industrial Economics and Knowledge Research Center 予想2018年 累計出荷数 600万台程度

(Want China Times記事 )

3D Printer年間出荷)
2011年23,265台 ( Wolers Association )
2012年38,002台 ( Market Watch )
2013年56,507台 ( Gartner )
2014年10万台突破

上記の表からわかる通り、年間出荷数は倍々で伸びていっている。仮にこの倍々ペースでいくと、2018年には90万台程度の出荷数、累計出荷数は200万台を突破してくる。

この3D Printer市場を牽引するのが50万円以下のDesktop 3D Printerがである。最近では10万円以下で買えるようになってきている。

このDesktop 3D Printer市場が、急拡大する下地をつくったのが、英国Bath大学のAdrian Bowyer教授が中心になって始まったRepRapプロジェクトである。RepRapは、The Replicating Rapid Prototype Projectの略語で、自己増殖可能なオープンソースな3D Printerを開発するコミュニティである。2008年2月9日にRepRap 1.0 "Darwin"が公開される。現在までに、RepRapから派生した100種類近いDesktop 3D Printerが開発/販売されるにいたっている。

Wikiより転載

RepRapに派生するプロジェクトで、米国で2007年5月27日に、RepRap研究財団(RepRap Blogより)が設立されている。MakerBot Industriesの創業メンバーのZach Smithは、この財団の創業メンバーの1人であり、MakerBot Industriesは、RepRapプロジェクトに触発されて設立した会社になる。 

MakerBot Industriesは、New Yorkのブルックリンをベースとしたベンチャー企業である。RepRap研究財団のZach Smithを中心に、Adam Mayer、Bre Pettisの3名により設立される。MakerBot Industriesは、個人向けの3D Desktop Printerキットを販売する事からビジネスをスタートしている。いち早くビジネスの可能性に気づき、個人向けのDesktop 3D Printerのリーディングカンパニーとなる。そして、2013年6月13日に、米国3D Printer大手のStratasysに、時価総額 4億3000万ドル(日本円で516億円)で買収 ( Techcrunch 記事 )されることとなる。



MakerBot Industriesが、これだけ高額でM&Aされた背景には、3DデータのクラウドであるThingiverseを運用していた点にある。2014年7月時点で、4万点のデータがアップロード(4万点目の作品)されている。


このDesktop 3D Printer市場の拡大には、2009年にFDM法(FFF法)の特許(US-A1- 5121329)が切れたことにより、オープンでより廉価な3D Printerの商売が可能になったという背景もある。

近年では、光造形法(SLA法)、粉末焼結積層造形法(SLS)関連特許も、特許切れになり始めて、formlabs社がSLA法のDesktop 3D Printerの製品化などに成功している。


form1+に対して、光造形法(SLA法)の特許を 保持している米国3D Printer大手 3D Systemsformlabs社を 光造形法関連の特許で訴えていたが、最近裁判所から破棄さている( Techcrunch 記事 )。光造形法(SLA法)関連特許がぞくぞく失効されることから、非常に安価な光造形法(SLA法)のDesktop 3D PrinterがKickstarter等で次から次へと発表されている。その中でも、注目なのが$299で光造形法(SLA法)の3D Printer iBox Nanoである。数年前まで、光造形法(SLA法)の3D Printerは最低でも数百万はしていた世界だったが、今後はDesktop 3D Printerの新しい成長マーケットとして注目されるようになってきている。


この3D Printerは、実は25年前に日本で発明された技術である。最初の発明者は、小玉 秀男である。当時、名古屋市工業研究所で研究していた小玉さんは、世界で初めて3D Printerの開発に成功する。しかしながら、いろいろな不遇が重なり、特許を取り下げ、その経験をいかし、今は弁理士になっている。

弁理士 小玉秀男

最後に、Desktop 3D Printerは、オープンイノベーションの塊だ。今世界で起きている変化に参加したいなら、オープンソースな3D Printerの部品を購入し、自作してみるといい。3D Printerでなんでも印刷できる時代になったと実感すると同時に、3D Printer そのものを自作できる時代になったと体感する事ができるだろう。それこそが、今起きつつある大きな変化である。


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