日曜日, 10月 04, 2015

指輪型ライト(物理)

日曜日, 10月 04, 2015 By

コーヒー(主に缶コーヒー)を飲むと90%以上の確率でお腹を下す体質です。どうも久しぶりです、ネタ担当の穂積です。

細かい作業中、手元を手早く照らすライトが欲しいと思って100円均で手頃なライトを物色してみたけど、いつものごとく「あれ?これ作れんじゃね?」となってしまう訳で。
まぁライトの部分は既存のものを使い、例のごとくアクリルで作ってみた。
いい感じの強引感。

設計図。固定用の串も作る。

レーザーカッターで切り出し。
ネジはライト固定用。
リング本体の接着はズレないように 4つの穴を串刺しにしてから接着させる。

あんまり使わない小指でいいじゃろ!(適当)


たぶん探せば売ってると思うものも、作りたいという衝動が抑えられなかった。
こういうモノ作りは、過程も楽しみの一つだと思う。みなさんも自分用に世界で1つしかない道具を作ってみては?アイデア次第で売れますよ?そん時は俺にも分け前ください。

日曜日, 7月 26, 2015

フォクすけ君アクリルオブジェ!

日曜日, 7月 26, 2015 By


大した事をやる訳でもないのにパソコンは無駄に高スペック。どうも、ネタ担当の穂積です。
土曜日の昼下がり、Fab蔵へ遊びに 作業しに行ったら、mozilla Japanの代表理事・瀧田さんが来ていたので、せっかくだから「フォクすけ君」のアクリルオブジェを作りました。
前日に作ったアクリルオブジェ↑

これらを大変気に入って頂き、その流れで調子に乗って 作りました。

まずは素材をサイトから探してダウンロードします。今回は瀧田さんのリクエストでフォクすけ君を使用しました。画像形式は基本的になんでもokです。どうせデータ変換するのはイラストレーター任せなのでw 複雑で多色でなければ、割と簡単にレーザーカッター用のデータが作れます。細かったり、凝ったりすると時間かかりますが!
※わかりやすいように色つけてます。
尻尾部分はグラデーション彫刻の為にグレースケール色です。


顔の部分が真っ二つに分かれるように切断線が入っていますが、アクリル切断後に抜き取る際、勢いで細い線が折れないように小分けにしました。こういった配慮を忘れると、後で悲劇に見舞われます(戒め)。

それらをレーザーカッターで各色切り出します。

黒い線の幅は約0.7mmと、かなり細く、慎重に取り扱わないとポッキリ折れそうですw


目のハイライト部分は直径約1.5mm高さ3mmの円柱です。
落として見失ったらアウトですw


プルプルプルプルprprprprpr((('A`) ))


各種パーツをはめ込んだら、枠を挟んでネジ留めして完成です!


データさえあれば、レーザーカッターで綺麗に切り出しして、それらを組み立てるだけなので簡単ですね!(細い作業除く)
さぁ、そこのあなたも是非!!


おまけ
瀧田さんから直々にピンバッチとネックストラップ貰いました!ステッカーも可愛い!

金曜日, 7月 24, 2015

イノベーションの中心点は、シリコンバレーから深センへ その(5)

金曜日, 7月 24, 2015 By

Makeblockの後は、今回の一番訪問したかったHAXに行ってきた。まず、はじめにHAXのCEOであるCyril Ebersweilerから、HAXの仕組みについて解説してもらった。Cryilは、日本在住経験もあり、日本にも何度も足を運んでいる日本通だ。

HAXは、今最もいけているハードウェアインキュベーションだ。HAXでは、36件のプロジェクトが立ち上がり、Kickstarterのファンディングで平均で3000万円のファンディングに成功している。ネットの世界でいうY Combinatorのポジションにいるハードウェアインキュベーションだといえる。

図) HAX CEO Cyril Ebersweiler


深センでの1週間の経験は、シリコンバレーでの1ヶ月の経験にも匹敵するといわれている。これは日本でも同様で、深センでの1週間の経験は、日本の1ヶ月の経験に匹敵する。つまり、深センで作業をするだけで、4倍速という圧倒的なスピードを手にいれる事ができる。 

図) 深センでの1週間の経験 = シリコンバレーでの1ヶ月の経験

HAXでは3ヶ月でハードウェアをローンチすることが目標とされ、ハードウェアのプロトタイプが日常的におこなわれている。なんといっても驚いたのが、プロジェクト参加者の机が50個近くあるのだが、その机の横には、メタルステンシルが山済みにされていたことだ。ここでは、プロトタイプは日常の作業であった、いかにプロダクトアウトできるかで、日夜競いあっている。

図) HAXの作業机


図) 中は撮影禁止だったのでイメージ図

HAXでは、日常的にPCB Service + メタルステンシル + リフロー機で基板の試作がおこなわれている。PCB Serviceで基板を起こすのが3日、リフローで部品実装するのが1時間、3日+αで1回の試作が完了する。これだけ早く試作できれば、失敗を見つけ、改善ポイントを発見し、時としてはPivotできる。ここにいれば、週に2回失敗でき、月に8回失敗でき、3ヶ月で24回失敗できる。まさに、これだけ失敗できれば失敗は成功の糧とできるわけだ。

もちろん、基板でもこれだけ早いが筐体やケースに関しても3D Printerや、近隣の工場との連携で圧倒的な速さを実現している。

HAXの最近の成功事例として、 電子回路が印刷できる3D PrinterであるVolteraがある。Volteraはアイディアから製品化まで3ヶ月という短期間でおこない、Kickstarterで5000万円を超えるファンディングに成功している。Volteraはカナダベースのチームで、基板をPCB Serviceで頼むとカナダに届くまで2週間かかるから、このプロダクトを考えたそうだ。まさに、深セン以外のMakersの救世主となるハードウェアである。

図) 3ヶ月で進化したプロトタイプ

このように、HAXでは、世界中からハードウェアスタートアップが集まり、深センの競争優位性を元に、ハードウェアにチャレンジするハードウェアスタートアップが集結しつつある。

最後にHAX支援のプロジェクトのKickstarter TOP7を掲載しておく。

CHIP $2,071,927
9ドルの開発ボード。実に2億円を超えるファンディングに成功。


Prynt $1,576,011
スマフォ用インスタントプリンタ


Hex $563,721
小型Quadcopter


Voltera $502,310
電子回路が印刷できる3D Printer



mBot $285,463
MakeBlockにより作られたロボットカー





mDrawBot $193,937
MakeBlockにより作られた描画ロボット



MakeBlock $185,576
MakeBlock本体



HAXでは、ユニコーンの出現を深センで待ち構えている。

その(6)へ続く

イノベーションの中心点は、シリコンバレーから深センへ その(4)

イノベーションの中心点は、シリコンバレーから深センへ その(4)

金曜日, 7月 24, 2015 By

SeeedStudioの次に向かったのがMakeblockのオフィスである。Makeblockは、Kickstarterで見かけて以来、気になってしょうがない存在だった。高須さんのおかげで、Makeblockの実物とさらに、オフィスまでも見学できることとなった。

図) Makeblockオフィス

冒頭、MakeblockのCEO Jasen WangがMakeblockの解説をしてくれた。Makeblockは最近できた会社なのだが、すでに80人も従業員がいるそうだ。凄まじい成長スピードだ。

図) CEOのJasen Wang

Makeblockは抽象化ハードウェアであり、抽象化された部品を組み立てることで、新しいハードウェアを作り出す。レゴのMindStormにも近い形になるが、Makeblockは、その強度と自由度と、試作後の商品化加工が可能になる。

こちらが、抽象化されたハードウェアモジュールの一覧である。すべての部品はアルミで作られており、これで十分な強度を確保している。また、色合いがおしゃれで、作ったもののおしゃれなできばいとなる。

図) Makeblockの部品群

Makeblockが優れている点として、Makeblockで試作されたハードウェアで、Kickstarterにプロジェクトを立ち上げファンディングに成功している点にある。

ハードウェアの数規模組織
10K+マスプロダクションHardware Corporation
1000インディプロダクションHardware Startup
1エンジニアサンプルベテランMaker
0.1プロトタイプMaker
0アイディア夢追い人

抽象化ハードウェアは、SeeedStudioの図でいうプロトタイプ向けのツールになるのだが、Makeblockは、プロトタイプ向けのツールで、インディプロダクトまでのアプローチが可能な画期的なツールになっている。

図) プロトタイピングされたハード

図) プロトタイピングされたハード

図) プロトタイピングされたハード

Makeblockのコンポーネントでハードを短期間でプロトタイプし、組み立てに時間がかかかるパーツ部分のみ専用ハードウェアとして、アルミの板や棒を加工し、機能は同じだが、組み立て時間と組み立て難易度を落とした状態で、Kickstarterに応募する形をとっている。

HAXのプロジェクトでKickstarterでの資金額のTop7に、MakeBlock 本体と、MakeBlock で作られたハードであるmBot mDrawBotがランクインしている。

HAXの資金調達 TOP7


  • Hex $563,721
  • mBot $285,463 (MakeBlockにより作られたロボットカー)
  • mDrawBot $193,937 (MakeBlockにより作られた描画ロボット)

図) mDrawBot

図) mBot

Makeblockは、抽象化ハードウェアの新しい可能性を示していると同時に、誰もがやる気さえあれば、オリジナルハードウェアを自作し、インディプロダクションに挑戦できる道筋を示したといえる。

そして、これらのアプローチを全面に支援しているのがHAXである。

木曜日, 7月 23, 2015

イノベーションの中心点は、シリコンバレーから深センへ その(3)

木曜日, 7月 23, 2015 By


今回深セン訪問のもう1つの目的が、ニコ技主催の深セン工場見学ツアーへの参加だ。最初の訪問先は、様々な新しい試みに挑戦しているSeeedStudioだ。Maker Faireの会場内(ソフトウェアパーク内)に、SeeedStudioのオフィスがあるので、そこに集合してツアーがスタートした。

SeeedStudioのオフィスには、いろいろなビジョンが描かれている。その中でも、誰もが前で立ち止まりのがこの写真である。SeeedStudioでは、様々な規模のハードウェア開発を支援し、サラリーマンをしながら電子回路さえWebでおくれば、自分のハードウェアを製造し、さらに販売することができる仕組みの構築までもおこなっている。SeeedStudioは、アプリの世界のAppStoreで起きたことを、今まさにハードウェアの世界で起こそうとしている。 

ハードウェアの数 規模 組織
10K+ マスプロダクション Hardware Corporation
1000 インディプロダクション Hardware Startup
1 Engineer Sample ベテランMaker
0.1 プロトタイプ Maker
0 Idea 夢追い人


SeeedStudio の従業員は、昨年には100人を突破し、たった1年で300人までに増員している。それほど勢いがあり、世界規模でMakerの支持を集めているベンチャーだといえる。 

図) SeeedStudioのオフィス(ソフトウェアパーク)

SeeedStudio のEric Panからニコ技主催の深セン工場見学ツアー説明の後、ニコ技の高須さんのガイドの元、SeeedStudio の工場見学ツアーが始まった。



今回のニコ技 深セン工場見学ツアーでは、バスも用意していただき、SeeedStudio の工場へと向かう。SeeedStudio は、営業機能はソフトウェアパークにあり、工場は別の場所に位置している。


バスで、30分ぐらいで、SeeedStudio の工場へと到着する。工場といっても、中では電子回路のメンテナンスやWikiの更新や、受注処理等をおこなうエンジニアも常駐している。



SeeedStudioは、基板の製造サービスとして、FusionPCBというサービスを展開している。まずは、先にPCBサービスについて解説する。PCB Serviceとは、電子回路から基板を製造するサービスである。SeeedStudioの図でいえば、MakerやベテランMakerなどが必要とするサービスになる。

ハードウェアの数
規模
組織
10K+
マスプロダクション
Hardware Corporation
1000
インディプロダクション
Hardware Startup
1
Engineer Sample
ベテランMaker
0.1
プロトタイプ
Maker
0
Idea
夢追い人

深センでのメジャーなPCB Serviceとして、SeeedStudioや、ElecrowPCBWayなどが存在している。下記の表が各社の価格帯と製造日数になっている。通常料金では、各社$10近辺になっており、非常に安く早く深センでは基板製造が可能になっている。仮に同じ基板を日本で製造する場合は、5万円〜10万円程度の価格になる。

PCB Service
(50mmx50mm)
通常料金
(10枚)
特急料金
(10枚)
SeeedStudio $9.0
(3日)
$199
(2日)
Elecrow $9.9
(4日〜7日)
$69.9
(2日)
PCBWay $12.0
(2日〜3日)
$59
(24時間以内)

深センの優位性は、製造した基板を現地ピックアップできる点にある。今回、SeeedStudioに訪問した際に、発注していた基板を現地でPickUpしてみた。SeeedStudioFusionPCBを利用すれば、深セン在住なら、3日で基板を手にいれる事ができる。

図) 現地ピックアップした箱

仮に日本から深センに基板を発注した場合は、郵送というコストがかかる。DHLで3-5日、Fedexで4-7日程度かかるため、SeeedStudioのPCBサービス(FusionPCB)を通常料金で日本から頼んだ場合、製造に3日、DHLで3〜5日なので、最短で6日ぐらい、遅くとも8日ぐらいで到着する事になる。

表)最近の基板発注の郵送にかかる時間(Fab蔵発注履歴より)
PCB Service 宅配業者名 発送日(深セン) 到着日(会津) 日数
Elecrow Shenzhen DHL 7/10 19:10 7/14 9:14 4日
Elecrow Fedex 7/14 10:15 7/21 12:50 7日
ElecrowFedex 6/29 17:54 7/3 10:35 5日
PCBWay Shenzhen DHL 6/29 19:15 7/1 10:15 3日
Elecrow Fedex 6/26 22:49 7/2 10:33 5日
DFRobot(上海) DHL 6/15 17:49 6/17 10:01 3日
Elecrow Fedex 6/4 20:33 6/10 12:13 6日
Elecrow Fedex 6/1 20:49 6/6 13:40 5日

表) PCB Service業者が表示している目安の郵送日数
宅急便 Shenzhen DHL DHL Fedex EMS
Elecrow 2-3日
(日本向けには4日の場合も)
3-5日 4-7日 -
DFRobot 提供なし 3-5日 提供なし -

SeeedStudioでは、PCB Serviceと同様に実装サービス(PCBA Prototype)も展開している。実装サービスは、基板製造とは違い、物理的な部品を実装するため、部品リストの作成や、部品の郵送や購入依頼など、いろいろな手続きが必要になる。

SeeedStudioPCBA Prototypeでは、Open Parts Library(OPL)を定義し、よく使う部品を常時在庫しておくことで、部品の購入や発送などの手続きや調整などをおこなわずに、基板への部品実装が可能になっている。

OPLにより、電子回路だけWeb経由で送ってしまえば、あとは、部品実装された状態で、自分の基板が手元に届くことになる。OPLでは常に在庫を保持しているので、基板の製造から部品実装までにかかる時間は10日程度になっている。開発者は、電子回路のデータさえSeeedStudioにおくれば、あとは実際の部品実装された基板を手元に届けてくれる。

図) OPLのリスト

図) SeeedStudioの工場に在庫しているOPL部品

実際のコストは、PCBA Prototypeのコストは下記のような価格帯になる。

図) PCB Prototypeで開発したFaBo Brick

表)実装費と部品代
部品 価格 実装費 個数
コンデンサ
(100nf)
$0.008
(0.992円)
$0.1
(12.4円)
2個
抵抗
(4.7K)
$0.003
(0.372円)
$0.1
(12.4円)
2個
センサ
(ADXL345)
$1.3
161.2円)
$0.2
(24.8円)
1個

表)実装費合計
部品代合計実装費合計
$1.332
(163.928円)
$0.6
(74.4円)

抵抗、コンデンサ等の単純な部品 $0.1、IC等 $0.2の実装費となっている。簡単なBrickを1つ作る場合(部品5点)は、$0.6(74.4円)ぐらいの実装費となる。

これらのOPLで作られる基板の実装、手作業でおこなわれている。作業員のおばちゃん達は、3D Printerを使いこなし、半田付けもおこない、必要な時にはDesktopチップマウンタも用いる。まさに少量多品種生産の現場は、"フルスタックおばちゃん"が支えている。

図) 3D PrinterからDesktop チップマウンタまで使いこなす
フルスタックおばちゃん

図) 部品実装をするフルスタックおばちゃん

そして、"フルスタックおばちゃん"の向かい側には、工業用のチップマウンターのラインも併設しており、100-1000個程度の小規模生産は、こちらのラインでおこなっていた。チップマウンタはAdafruitも持っているSM-482。こちらも、フル稼働で動いていた。

図) SM-482

図)SM-482の中の様子

一緒にツアーの参加していたオランダの大学院生が、面白いハードをもっていたので、これどこのキットって聞いたら、「これ自分で開発して、SeeedStudioで製造して販売してるんだぜ」と見せてくれた。彼は、普通に大学生をやりながら、自作したハードウェアを世界に向けて販売している。




ハードウェアの数
規模
組織
10K+
マスプロダクション
Hardware Corporation
1000
インディプロダクション
Hardware Startup
1
Engineer Sample
ベテランMaker
0.1
プロトタイプ
Maker
0
Idea
夢追い人

こういったサービスは、SeeedStudioPropagateというサービスで使うことが可能である。Kickstarterで、プロジェクトを立ち上げ、いざ量産というときに、使えるサービスになる。

SeeedStudioでは、1個のプロトタイプから、Kickstarter等での1000個の製造までをもカバーしている。特記すべきは、大学生やサラリーマンをやりながら、ハードウェアの製造にチャレンジできる仕組みを構築しつつある点だ。これこそが、誰もがハードウェアにチャレンジできるMakers Movementの原点だといえる。

その(4)へ続く